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第35話

「あ、瑛翔こっち」 「ん」 待ち合わせの喫茶店に入ると入口から割と近くの席に祥馬は座っていて、俺が店内に入るなりすぐに声を掛けてきた。 祥馬の正面に座り、アイスカフェオレを注文した。 「ごめんな、急に」 「いいよ別に。いつものことでしょ、何を今更」 「お前相変わらず酷えな」 「はいはい、で?相談って何?」 「あーえっと…」 「お待たせしましたーアイスカフェオレです」 祥馬の言葉を遮って、店員さんが注文したアイスカフェオレを持ってきた。 「……」 そして店員さんが去ってからも祥馬は口を開かない。 「えっと…そんなに言いにくいこと?」 なんだか少し不安になってきた。 そんなに言い澱むって… 「んーと…まぁ言いにくいっちゃ言いにくいんだけど…」 「うん」 「……」 そしてまた黙ってしまった。 「桐崎さんのことじゃないの?俺てっきり…」 「いや、合ってる。澪央のこと、っていうか澪央と俺のことなんだけど…」 「え、何?」 2人のことって、、 「いや、その…俺、したことないから、その、流れっていうか、こう、どう誘えばいいのかっていう」 「は?」 「いや!瑛翔は俺と違って経験豊富だろ!?だから、そういうのにも慣れてるだろうと思って」 「何を言ってるの?」 「いや、だから誘い方を…」 祥馬は、つまり、桐崎さんとシたくて? でも童貞だから誘い方も分からないと? それで、経験豊富だろうってことで俺にどう誘えばいいのかを聞いてるの?

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