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第42話

あっという間に約束の日になった。 遊園地のある最寄り駅に集合した。 俺が着いてすぐ、椎河さんと桐崎さんが一緒にやって来た。 「瑛翔くんおはよー!」 「おはよう」 「おはよ。祥馬はまだみたいだね」 「そうみたい。祥馬くんって早めには来ないんだよね」 桐崎さんはスマホで時間を確認している。 桐崎さんが今までの祥馬との待ち合わせについて、愚痴をこぼしている。 椎河さんが苦笑いして、祥馬の話から切り替えようと俺の方を見る。 「神代くんはいつも早いよね」 「そうかな?」 「うん、だって今まで待ち合わせして、私より後に来たことないよ?」 「そうだっけ?」 「わりー!」 待ち合わせの時間から10分を過ぎた頃、駅の改札から、謝りながら祥馬が出て来た。 「もう!祥馬くん遅いよー」 「ごめんごめん」 「瑛翔くんは約束に遅れたことないんだって」 「瑛翔はそういうところキッチリしてるもんな」 チラッと俺の方を見る祥馬に苦笑いを返す。 多分、桐崎さんが言いたいのはそういうことじゃない。 俺がキッチリしてる話じゃなくて、 「そうじゃないでしょ、祥馬。そこは直さないと」 俺がそう言うと、祥馬は俺から桐崎さんに視線を移した。 桐崎さんは口を閉じ、じっと祥馬を見つめている。 「ごめん、次から気をつけるから」 さっきみたいな軽い口調ではなく真剣に謝ったことで、桐崎さんは満足したようで俺たちは歩いてすぐの遊園地へと向かった。

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