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第45話

そんなこんなで出口に到着した。 そこにはまだ祥馬と桐崎さんの姿はない。 「私たちの方が早かったみたいだね」 「そうみたいだね」 そして15分が経った頃、ようやく2人が出口から出て来た。 「あー!2人とも先にゴールしてる!」 「早いな!」 「いや、2人とも遅すぎでしょ。俺たち15分前にゴールしてたよ」 「えっ!うそっ!」 「マジかよ!」 4人で笑い合って、時間もいい時間になって来ていた。 「最後に観覧車乗ろ!」 桐崎さんの提案で、俺たちは観覧車に乗ることにした。 当然のように俺と椎河さん、祥馬と桐崎さんの二手に分かれて乗った。 「わぁ…神代くん、見て!あれ、さっき私たちが行った迷路だよ!」 なんて、少しはしゃぎ気味で椎河さんは外を見ていた。 「椎河さんは高いところは好き?」 「うん、好き。これだけ高いとちょっとだけ怖いけどでも楽しい。神代くんは高いところ平気?」 「うん、平気」 そして、天辺まで行き降る時、前に乗っている祥馬と桐崎さんの姿が見えた。 2人がキスしている姿が。 俺はすぐに視線を外に逸らした。 椎河さんは外の景色に夢中で気づいていなかった。 「神代くん、」 「ん?」 振り返った時、ガコンッと音が鳴り扉が開かれた。 「お疲れ様です〜足元に気をつけてお降りください」 「あ、はい」 俺が先に降り、椎河さんの方に手を差し出す。 その手を椎河さんは握り、降りた。 「ちょっと、見た?祥馬くん!」 「えっ何?」 「祥馬くんも少しでいいから紳士的になってくれたらいいのに」 降りた所に祥馬と桐崎さんが待っていて、俺たちの様子を見て祥馬に不満をぶつけている。 祥馬に紳士的を求めるべきじゃない。紳士とは程遠いから。 「えっ?何の話?」

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