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第51話
「あ…?」
俺、今……祥馬のこと、、
「お前、今俺のこと、好き…って…」
何か、何か言わないと…
「気持ち悪…」
俺が何かを言う前に、祥馬は呟いた。
俺を見る祥馬の目は、軽蔑している目だった。
瞳から伝わる、拒絶。嫌悪。
受け入れられるなんて、思ってなかったけど、でも、こんな風に拒絶されるとも思ってなかった。
もう、この状況じゃ、冗談だとも言えない。
そもそも、言うつもりなんてなかった。
4年も隠し通して来たのに、こんな、勢いで…
俺は思わず教室を飛び出した。
当然、祥馬が俺を追いかけて来ることなんてなくて、俺はそのまま屋上に向かった。
しばらくして午後の授業が始まる鐘が聞こえてきたけれど、教室に戻る気にはなれなかった。
すると佑嗣からメッセージが来た。
"祥馬だけ戻って来たけど、瑛翔どこにいる?"
午後の授業は体調不良で保健室で休んでいると伝えて、俺は屋上で寝転がった。
照りつける陽の光が俺の心の中とは正反対で、眩しかった。
「うっ……」
涙が溢れた。
もう、親友になんて戻れない。
ただ、側に居れるだけで良かったのに。
そんなに多くのことは、望んでいなかったのに。
全て壊れてしまった。
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