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第70話
「そうやって女子みたいに泣けば、俺が同情するとでも思ってんのかよ」
「違っ…そんなつもりじゃ、、」
次から次へと浴びせられる言葉は、鋭い刃となって俺の胸を容赦なく突き刺していく。
傷ついて、溢れ出す血を止める術を、俺は知らない。
「お前が誰と付き合おうと興味ない。でも、佑嗣と付き合うのは許さないからな」
「っんん!」
顎を掴まれ、乱暴に唇が合わさる。
キスって、もっと暖かいものじゃ、ないの?
「ふぅ、んッ……やっ、…んん」
侵入してきた舌は口内を蹂躙し、最後に唇を舐められ、ようやく離れた。
「はぁ…」
唇が離れ、息を吸った時、首筋に吐息が掛かった。
「ひっ…」
びくりと肩が震えて、そして次の瞬間、
「いッー!」
首筋を思い切り噛まれた。
痛みが走る。
そして、
「ちゅ…」
「や、だ…何して、、」
この感覚は知ってる。
「こんな痕付けてれば、佑嗣も手ぇ出さないだろ」
「っ!」
どこまでも、酷いことをする。
それでも俺は………
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