73 / 260
第73話
適当な空き教室で休んで、3時間目から出ようと2時間目が終わるまで俺は椅子に座り机に突っ伏していた。
一人になると考えるのは祥馬のことで。
どうして祥馬は、佑嗣と付き合うことをあんなに拒むのか。
俺が誰と付き合おうと興味ないと言った。
でも、佑嗣だけは許さないと。
その言葉を思い出してまた胸がズキンと痛んだ。
そっか。
椎河さんとだって、桐崎さんに頼まれたからで、付き合うの自体はどうでも良かったのかな…
別れた時だって、桐崎さんに言われたからあんな風に俺を責めたんだ。
「いや、違う…俺が祥馬に好きなんて言ったから、だから俺のことを嫌いになって、あんな風に言ったんだ…」
"元はと言えば、お前が俺のこと好きなんて言うからいけないんだろ"
"あんなことお前が言わなければ、こんな風にはなってなかった"
"お前のこと軽蔑なんてしなかった。友達として、好きなままでいれたのに"
"全部お前のせいだろ"
頭の中で何度も繰り返される言葉。
あの時の表情までも思い出される。
きっと、一生忘れることのない顔。
俺のこの、"好き"という感情が、とても汚れたものに思えて仕方なかった。
想っている時間が長過ぎた。
もっと早くに諦めていれば、、
「どうやったら、好きって消せるの…」
ともだちにシェアしよう!