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第76話

教室に戻ると、自分の席に祥馬は居て、俺はそそくさと窓側の自分の席に着いた。 「大丈夫?」 「うん、、」 「何かあった?」 佑嗣はすごい。 俺のちょっとした変化にも気づいて、優しく声をかけてくれる。 「えっと、」 「神代〜酷いじゃん置いていくなんて…仲良くしようよ」 さっきあったことを言うか悩んでいるところで、教室に鷹来くんが戻って来た。 「あれ、鷹来と仲良かったっけ?」 佑嗣が言うと、鷹来くんはニッと笑って俺の肩に手を乗せた。 「これから仲良くなる予定」 「ちょっと…」 軽く睨むも鷹来くんはへらりと笑うだけで、肩の手も離さない。 それから連絡先を半ば強引に交換させられた。 色んなことがあってすっかり忘れていた。 3週間後に文化祭があることを。 「じゃあ何やるかはこの間決めたので準備の役割分担とか決めて」 担任の言葉にクラスの実行委員の男女1名ずつが前に出た。 「え、何?いつ決めたの?」 チラッと後ろを振り返ると佑嗣はハッとした。 「そういえば決めたんだった。この間瑛翔が休んだ日」 「そうなんだ…」 俺が休んだ日、佑嗣から結構連絡来てたのにこのことは言ってくれなかったね? 「いやー…言いづらくて後回しにしてそのまま忘れてた」 言いづらい? どういうこと? 疑問に思ってると佑嗣は前を指差した。 そこにはコスプレ喫茶と書かれていた。

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