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第80話

それから文化祭までの3週間、鷹来くんは付き纏ってくるし、一緒に居るところを見られる度に祥馬には酷い言葉を浴びせられた。 冷たい視線に、毎回涙が出そうになった。 その度に祥馬は嘲笑った。 祥馬があんな風に笑うなんて、知らなかった。 あんな目をするなんて、知らなかった。 鷹来くんとどうこうなるつもりなんてないけど、佑嗣以外ならいいと言ったのは祥馬だ。 何をしたいのか、全然分からない。 辛くなったとき、佑嗣がそばに居てくれた。 鷹来くんも一緒に居ることが多くて、最初こそ嫌がってはいたけれど何だかんだで一緒に居て楽しいのも事実だった。 そして今日は文化祭3日前で、衣装合わせ。 祥馬に付けられた痕は消えていたし、噛み跡もほぼ治っていた。 「はい、じゃあ瑛翔くんはこれね!」 「あ、うん…」 渡された衣装を持って教室内にカーテンで仕切られただけの簡単に作られた更衣室へ入った。 教室はもう準備もほとんど出来上がっている状態だ。 当日もここで着替える。 そして中に入って衣装を広げた。 何の衣装か聞いていなかったけど(聞いても教えてくれなかった)、衣装を見て思わず苦笑い。 「これ…」 仕方なく衣装に袖を通した。 手作りとは思えないくらい綺麗に出来てる。 最後に白い手袋をして簡易更衣室を出た。 「「きゃー!!!」」 「すごい似合ってる!」 「かっこいい!!」 「本物の王子様みたい!」 俺の衣装、王子の格好を見て黄色い声が上がった。

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