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第100話
「化膿止めも塗っとくわ」
大きめの傷パッドが貼られた。
「あとこれ渡しとくから、朝と夜にこの薬塗って傷パッド替えて」
「はい…」
「程々にしなさいね」
「え?」
数枚の傷パッドと薬を渡された。
そして保健室を後にした。
最後のあれはどういう意味だったんだろ?
「教室戻る?」
「うん…あっ…と、その前にスマホ、音楽室に忘れて来たから取りに行っていい?」
「いいけど…大丈夫?」
鷹来くん、最初は何だこいつって思ったけど、思いやりあって優しいな。
さっきの今で、音楽室に戻るのは大丈夫かって聞いてくれてるんだよね。
「大丈夫だよ」
二人で音楽室に向かい始めた時、文化祭終了の放送が掛かった。
『只今の時間で、文化祭1日目は終了です。残っている生徒は、18時までに学校を出ましょう』
音楽室に着いて、祥馬が俺のスマホを置いた机まで向かう。
そこには俺のスマホがあり、手に取り画面を開くと佑嗣からのメッセージと着信がすごいことになってた。
「やば…」
「なぁ神代」
「ん?なに?」
スマホから顔を上げ、少し離れた所に立っている鷹来くんを見た。
「前に、どうやったら好きって消せるのかって言ってたじゃん?」
「あー…うん、、」
それは、独り言のつもりで呟いた言葉。
少しずつ鷹来くんが俺に近づいてくる。
「一番手っ取り早いのは、新しい 好き を見つけることだと思うよ」
「……」
目の前に立つ鷹来くんを見上げる。
「で、その相手に俺がオススメなんだけど、どう?」
「ふっ…笑える」
「反応が酷いな」
「ごめんごめん。でもうん、いいかもね」
「えっ?」
鷹来くんは驚いた顔をした。
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