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第126話

そんな風に楽しく(?)話しながら集合場所に向かい、そこに既に待機していたバスに乗り込む。 俺が窓側に座ると、当然のように鷹来くんが隣に座った。 「水族館楽しかったな」 「うん」 「宮内の説明、一生懸命聞いてたもんな」 「…鷹来くん笑ってたよね」 そう言うと思い出したのか、またクツクツと喉を鳴らして笑ってる。 「いやー、説明してる宮内も面白かったけど、一生懸命聞いてる神代がかわいくて」 「…すぐかわいいって言う」 「かっこいいって言われる方がすき?」 「男なんだから当たり前でしょ」 「ふっ…かわ、んぐっ!」 またかわいいって言おうとしたのが分かったから口を押さえた。 「怒るよ」 「ほへん」 謝ったから、口から手を離す。 「明日も楽しみだな」 「そうだね」 そして、バスが走り出すと結構疲れていたみたいで、俺はいつのまにか眠ってしまっていた。 「…ろ、」 「……」 「…じろ…っ」 「ん…」 「神代っ!もう着いたぞー」 ぱちっと目を開ける。 窓に頭を寄りかけて寝ていたみたいで首が痛い。 「ねむ…」 「はいはい、俺ら最後だよ。ほら降りよ」 鷹来くんは席を立ち、俺の手を引いてくれた。 「何、神代寝ぼけてんのー?」 バスから降りて、段々と覚醒する。 「なんか今日は神代の意外な一面が見れたかも」 「そうだな。かっこいい神代しか知らなかったもんな」 宮内くんと渡辺くんがうんうん頷きながら話していて、恥ずかしくてパッと鷹来くんの手を離した。 「あ、ほら〜お前らが揶揄うから〜」 一番俺のこと揶揄ってるのは鷹来くんなんだけど、分かってるのかな…

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