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第127話

ホテルで夕飯を食べて、消灯時間まで自由時間となった。 「あー!また負けたー!」 「宮内よっわ!」 「うるせー!もう一回!」 グループメンバーで俺と鷹来くんの部屋に集まり、トランプで大富豪をしている。 壊滅的に宮内くんが弱い。 「何回やんだよー何回やっても上手くなんねぇよ」 「もう10戦はやってるな」 「全部大貧民になるって相当下手くそじゃね?」 渡辺くんと鷹来くんにボロクソに言われてる。 「お前ら今に見とけよ!?」 その後は消灯時間まで大富豪やらババ抜きやら色々やったけど、宮内くんが大富豪で一番になることは一度もなかった。 「明日の夜またやろうな!次は絶対勝つから!」 そう言い残して自分の部屋へ戻って行った。 「2人ともおやすみ」 それだけ言って、佑嗣も自分の部屋へと戻って行った。 部屋に2人だけになった。 「楽しかった。宮内くん面白かったなぁ」 「神代」 「なに?」 振り返ると、腕を引かれた。 そのまま無抵抗に俺は鷹来くんの腕の中へ。 優しく抱き締められて、俺もおそるおそる鷹来くんの背中に腕を回した。 「神代、顔上げて」 蕩けるような優しい声音に顔を上げるとすぐに唇が重なった。 「…っん…」 何度も触れるだけのキスをして、鷹来くんは俺の左の耳の近くを撫でた。 「ん?何かついてた?」 「うん?うん、俺の証」 「え?」 「…何でもない」 顎を掴まれて、唇が重なり、それは先ほどまでと違い深くなっていって、俺は何も考えられなくなる。

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