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第131話
「はしゃいでる神代って貴重だよな」
「そう?俺も騒ぐ時は騒ぐよ?」
「でもしょっちゅうじゃないじゃん?」
「まぁたしかに…」
その時、ピコンとスマホが鳴った。
「ん、誰だろ?」
机の上に置いていたスマホを手に取り、画面を確認すると渡辺くんからで、宮内くんが寝てしまったから行けないという話だった。
「宮内くんが寝ちゃったみたいで来れないって」
「そっか。宮内も結構はしゃいでたもんなぁ」
「今日はトランプ中止だね」
「そうだな。宮内が一番楽しみにしてたのに寝るとか…」
「ふっ、確かに。あ、佑嗣にも連絡しとく」
そこが宮内くんらしい。
「うん、よろしく。俺ちょっと出てくるけど、神代何かいる?」
「ううん、平気。どこ行くの?」
「んー自販機かな。戻ったら話したいことあるから、聞いて?」
「うん」
鷹来くんは部屋を出て行った。
「話したいことってなんだろ…」
考えては浮かぶ、ひとつのこと。
気を紛らわせるように、今日スマホで撮った写真を見てると佑嗣から、了解と返事が来た。
おやすみとだけ返信した。
すると部屋のベルが鳴った。
ホテルはカードキーで、各部屋に2枚ずつ渡された。
鷹来くん、持って行くの忘れたのかな…
なんて思いながら確認もせずに扉を開けた。
「っ…!」
扉の前には祥馬が立っていて驚いた。
そして俺は声を掛けることもなく、すぐに扉を閉めようとしたが、扉を掴まれてそれは叶わなかった。
「離してよ」
「何で?」
「何でって、そんなの…」
そんなやり取りをしている間に扉が無理やり開かれ、祥馬が中に入って来た。
「何、珀音いねぇの?」
「ちょっ…」
勝手に中に入って行く祥馬の後を追うように、中へ入る。
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