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第133話

首元の服を離されたかと思えば今度は腕を掴まれ、ベッドの方へと近づいていく。 「いやだっ…」 ベッドに投げるように腕を離された。 「っ…」 抵抗も虚しくベッドへ倒れる。 そしてそのまま祥馬は覆いかぶさってきて、両手を掴まれベッドに縫い付けられる。 「んんっ…」 顔が近づいて、キスされた。 離れる時、唇が舐められた。 こんなの、忘れられるわけない… 「んぅ…」 「上書きしてやる」 左の耳の裏側に舌が這っていく。 そしてキツく吸われ、そして噛まれる。 「っ!…やだ、鷹来くんっ…」 「…いいこと教えてやろうか?」 首から顔が離れ、祥馬は俺を見下ろしてニッと笑う。 その笑顔が怖い。 今、告げようとしている言葉を聞くのが怖い。 さっきから鳴り止まない俺の中の警鐘。 やだ… 聞きたくない…… 耳鳴りがする。 「珀音は俺に言われてお前に近づいた」

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