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第139話
「あいつ…泣かすなって言ったのに」
佑嗣のその言葉で、自分が泣いてることに気づいた。
「俺、まだ鷹来くんのこと好きじゃないと思ってた。祥馬に向けてた想いとは違ったから…。でも、思ってた以上に、鷹来くんのこと好きになってたみたい」
「うん」
「でも、鷹来くんは嘘って…」
「うん」
「もう、どうすればいいのか分からない…」
俯いた俺を、佑嗣は優しく引き寄せて頭を撫でてくれた。
「瑛翔、今日はもう休もう。な?」
「うん…」
「同室のやつには連絡して、瑛翔の部屋に行ってもらうから」
「ごめん…」
「謝らなくていいよ。瑛翔は何も悪くないんだから。ほら、もう寝よう?」
俺をベッドへ寝かせて、そしたら佑嗣も同じベッドに入って来た。
「…佑嗣?」
「一緒に寝よ」
「うん…」
「なんかさ、小さい頃思い出すな」
「ふっ、そうだね」
小さい頃は俺の両親が家を空けることが多くて、よく佑嗣の家に預けられていた。
「自分の枕じゃなきゃ眠れない〜って最初の頃は泣いてたよな」
「えー?そうだっけ?」
「そうだよ、忘れたの?」
「覚えてないよそんな昔のこと」
「俺は覚えてるけどなー?」
「ふっ」
「ははっ」
顔を見合わせて2人で笑う。
「修学旅行、明日で最終日だし、最後まで楽しもうな」
「うん、ありがとう」
そして俺たちは眠りについた。
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