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第144話
窓の外を眺めていれば急に襟足の髪を触られた。
ビクッと肩が揺れた。
「ちょっと、触んないで」
「珀音と話したか?」
「……あんな後に話せると思う?」
「ふぅん…話せなかったんだ?」
「…っもう、なんなの!?」
「どうしたの〜?喧嘩?」
前の席の女子が来た時と同じように体を乗り出して来た。
「っ…いや、ちょっと気持ち悪くて…」
「え、大変っ!先生〜!瑛翔くんが気持ち悪いみたいですー!」
「え、あ…」
「大丈夫かー?前の席来るか?」
先生からの提案に乗ることにした。
そうしたら祥馬から離れられるから。
「行きます…。出るからどいて」
窓側に座っている俺は、祥馬が一度出てくれないと出れない。
意外とすぐに祥馬は席を立って一度通路に出た。
そして俺も立ち上がり、前を抜けようとした時に耳元で、
「逃げられたと思うなよ」
そんな言葉をかけられて、俺はひと睨みしてから前の席へと移動した。
そして那覇市に着くと自由行動の時間となった。
「神代おはよー!昨日はごめんな!俺が寝ちゃったからトランプできなくて!」
「え?あー…大丈夫だよ。疲れてたんでしょ」
「そうそう、気づいたら寝てて、起きたら朝だった!」
「ふはっ、そうなんだ」
「2人ともーどこ回る?」
宮内くんと2人で話していれば、前を歩いていた渡辺くんが振り返り俺たちに声をかけた。
「お土産見たい!」
「…じゃあ適当にこの辺回るか」
宮内くんの一言で集合場所から離れすぎない場所でお土産を見て回ることにした。
すぐに宮内くんは近くのお店に寄って行き、渡辺くんがそれについて行く。
渡辺くんって、宮内くんの保護者みたい…。
「神代」
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