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第168話
結局学校に着いて、教室に入ったのは本鈴の鳴る少し前で、教室に入った瞬間、こちらを向いた祥馬と目が合った。
後ろにいる鷹来くんは何かを感じたのか、俺の背中を押した。
「ほら、早く座らないと先生来るよ」
「あ、うん」
促されて、俺は自分の席へ着く。
すると佑嗣が声をかけてきた。
「お前ら遅すぎだろ。どんだけゆっくり歩いて来たんだよ」
俺はそれに苦笑いを返した。
チラッと扉の方を見ると、何やら祥馬が鷹来くんに話しかけている。
鷹来くんの話では、ケリがついたと言っていた。
でもそれは、鷹来くんと祥馬との話なわけで、俺と祥馬の間では何も終わってない。
鷹来くんとちゃんと付き合うことになった今、俺も、祥馬とちゃんと話さないといけない。
でも一対一で話すのは…
「それはだめ。絶対だめだから」
キッパリと言われてしまった。
空き教室でお昼を取りながら朝に考えたことを鷹来くんに言ったら即だめだと言われた。
「久城にまだ付き合い始めたこと言ってない。朝も一緒に来たのかって聞かれて、適当に流したから、もしかしたら神代のところに来るかもしれない」
「…言っていい?」
「もちろん。でも、二人で会うのはだめ。もし神代に何かあったら俺、久城に何するか分からない」
「……え?」
「いや、冗談だから。そんな真顔で引くなよ」
「なんだ…」
少しほっとした。
正直、壊したいと言った祥馬の考えは分からない。
でも、話す機会はすぐに来た。
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