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第172話
二人の謹慎が始まって3日が経った。
夜は毎日鷹来くんと電話してる。
『謹慎って欠席扱いになるみたいでさ、俺出席日数足りなくなりそうなんだけど』
「え、大変じゃん」
『謹慎明けたら授業サボれない』
「あ、なんだ…そんなのサボらなければいいだけでしょ」
『え〜無理だし』
それから他愛もない話をして、電話を切った。
そしてすぐに、メッセージが届いた。
相手は祥馬だった。
内容は想像がつく。
開くとそこには、
"忘れるな"
と一言だけだった。
これは昨日も届いたメッセージと全く一緒で、一昨日も、その前にも届いた。
鷹来くんが祥馬を殴ったあの日の夜から、毎日届いている。
このことを、俺は鷹来くんに話せていない。
そして、次の日の夜に届いたメッセージに、俺は怖くなった。
届いたのは昨日までと違うメッセージ。
開いて読んだその瞬間、スマホは手から滑り落ちた。
でも、拾う気にはなれなくて、落ちたスマホを眺めていた。
すると、鷹来くんからの着信が入った。
「…っ…!……」
でも、今電話を取って、平静を保つことが出来ないと思った。
謹慎中の鷹来くんにはどうすることも出来ない。
数コールして、電話は切れた。
そしてすぐに鷹来くんからメッセージが届いた。
"もう寝ちゃってた?気づいたら電話して〜"
冷たくなっていた心が、少し温かさを取り戻した。
「鷹来くん…っ…」
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