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第175話

「忘れるな、に…許さない終わらせる……全部壊す…か。これ、昨日の、俺が電話した時間じゃん」 「…うん、ごめん…怖くて、電話取れなかった」 「ううん、大丈夫。怖い思いさせてごめん」 「鷹来くんは悪くない…」 また俺は鷹来くんの温もりに包まれた。 「神代、約束して」 「なに…?」 「何かあったら、すぐに俺に連絡して欲しい。昨日みたいに怖いまま一人で抱えないで」 俺は頷いた。 少し体を離して、鷹来くんが俺を見下ろす。 そして、そのまま唇が重なった。 「ん…」 少し口を開くと、すぐに鷹来くんの熱い舌が口内へ入ってきて、俺の舌を捕らえた。 俺も、応えるように舌を動かす。 「ん…」 「んぅ…ふ…ッ」 舌先を吸われ、ビクッと肩が揺れた。 今まで、キスでリードすることしかなくて、こんなにキスが気持ちのいいものだったなんて知らなかった。 「神代、エロい顔してる」 「っ…だから!そういうことっ、言わなくていいから!」 ぼすっと鷹来くんの胸に顔を隠すように埋めた。 「ふはっ、ほんとかわいい。…あ、かわいいって言われんの嫌なんだっけ」 俺は首を振った。 「ん?」 「鷹来くんに、言われるのはもう…やじゃ、ない…」 鷹来くんが息を飲んだのが伝わって、顔を両手で掴まれて上を向かせられる。 「神代、そういうこと言うのやめような」 「なんで…?」 「俺は、神代のこと大事にしたいし、今は久城のこともあるし…」 「…うん?」 「あーだからさ、」 そう言って手を取られ、その手はいつかのように鷹来くんのそれへと持っていかれる。 「っ…!」 そこは僅かに熱を持ち始めていた。

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