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第176話
「えっと…」
困っていると、鷹来くんは俺の手をパッと離した。
「ごめん、ちょっとトイレ…」
立ち上がった鷹来くんの手を取る。
「神代…?」
「あの、俺居るのに、トイレでその、するの?」
「は?」
自分でも、こんなこと言うの恥ずかしいけど、でも、俺は…
「その、下手かもしれないけど…」
ぐいっと鷹来くんの腕を引くと、鷹来くんはそのまま座った。
「えっと、神代?」
「大丈夫」
「いや、大丈夫じゃなくて…」
鷹来くん戸惑っている間に、ベルトを外しチャックを開けて、下着に手をかけたところで、手首を掴まれた。
「待って。いや、ほんとにいいから」
「なんで?触られたくない?」
「そんなわけない、けど…でも、………」
口籠る鷹来くんの小さな声は俺には届かなくて、聞き返す。
「なに?」
「……止まらなくなるかもしれないから」
「…それって、」
「だから、やらなくていい」
「やだ」
「あっ、ちょ、神代っ…」
鷹来くんの言葉も無視して、俺は鷹来くんのを下着をズラしてそれ取り出す。
両手で包み込むと、ビクッとした。
ゆっくりと上下に扱き始めると、鷹来くんは熱っぽい息を吐き出す。
気持ちいい、のかな?
先走りが先端から滲み始めて、それを塗りつけるように少しずつ速く動かし始めると、くちゅくちゅといやらしい音が響き始める。
「っん、…はぁ…」
もう、嫌がる素振りを鷹来くんは見せない。
片手は俺の髪に差し込まれ、もう片方の怪我をしている手は俺の肩へ乗っていて、その手に力が込められて、イキそうなのだと分かった。
少し強めに先を押してみると、ドクンと脈打ち欲が吐き出された。
見上げた鷹来くんは、なんとも煽情的な表情をしていた。
「鷹来くんもエロい顔してんんぅっ」
口を開いた瞬間に、キスで口を塞がれた。
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