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第181話
「祥馬が言ってた納得してないって、何のこと?」
早く学校に着いたから、俺と佑嗣は教室には向かわず屋上に出る扉の前の階段の踊り場に来た。
「…」
昨日会ったことを言うべきか、一瞬考える。
多分、言わなくても伝えられる。
「…俺が祥馬よりも鷹来くんのことが好き、って言ったこと…かな…」
「他は?」
「え?」
「他にもあるでしょ。鷹来には何を相談したの?」
「……これ」
ポケットからスマホを取り出して、佑嗣に見せた。
「うわ…あいつどうしたんだろうな?こんなやつじゃなかったのに」
画面を見た佑嗣は顔を歪めてそう言った。
そんなの、決まってる。
「全部俺のせいでしょ」
「瑛翔…」
「俺が、祥馬のこと好きだって言わなければこうならなかった。ううん、そもそも祥馬のこと好きにならなければ…」
言葉を止めるように佑嗣に肩を掴まれる。
「瑛翔、それは違う。お前の悪い癖だよ、それ。自分ばっかり悪いって責める」
「でも、」
「たまには他のやつのせいにしろよな」
「っ…」
「っていうか今回のことはどう考えても祥馬が悪いだろ。好きだって言われて、振っておいて、別のところいくのは許さないなんて。これじゃまるで…」
そこまで言って、佑嗣は言葉を止めた。
不思議に思って佑嗣を見ると、佑嗣は首を振った。
「それよりも、他にも何かあったんだよな?」
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