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第200話

その通りだ。 今さら、こんな風に言われても、俺は祥馬の気持ちを受け入れることはきっとない。 今の俺は祥馬とじゃなくて、鷹来くんと一緒に居たいのだから。 「ありがとう佑嗣」 「ほんっとお前は人が良すぎ。可哀想とか、自分のせいでとか、今後祥馬に対しては思うなよ」 「…うん」 「じゃあ俺帰るな。流石に祥馬も今日は来ないだろ」 「ごめん、佑嗣」 「いや。何かあったらすぐに連絡しなよ。俺じゃなくて鷹来でもいいから。じゃあまた明日な」 佑嗣を見送る為に玄関までやって来た。 「いいよ、ここで。外寒いから」 俺は頷き、玄関で佑嗣を見送ろうとしたのだけど、佑嗣は扉を開けて「あ…」と呟いてこちらへ振り返った。 「瑛翔」 「なに…?」 まさか、祥馬…? なんて思っていると、佑嗣は俺を手招きした。 「なに、どうしたの?…あ、」 玄関に降りて、佑嗣の近くまで行くと、そこに人影があった。 「藤白が神代のこと送ってくれた感じ?」 「まぁな」 「ありがとう」 「いいえ〜じゃあ俺帰るから」 そう言って佑嗣はその場から去って行った。 「ごめん、連絡もしないで来て」 「ううん、こんな寒いのにありがとう。上がってくでしょ?」 「うん、ありがとう」 そして今度は鷹来くんを招き入れた。

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