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第213話
保健室…?
「あ…!」
「思い出した?」
祥馬に怪我をさせられて、傷の手当てをしに行った時に具合悪そうにしていた生徒だ。
「同じ学年だったんだ…見てなかった…」
「あの時はそれどころじゃなかった?」
「まぁ…」
ジリジリと、距離を詰められる。
思わず後ずさると、目の前の彼は笑った。
「ふっ…なんか神代くんって思ってたイメージと違う」
「それって…」
「それに、」
どういう意味だと聞こうとしたら言葉を被せられた。
さらに近づいた目の前の人物は、左手で、俺の右の首筋に触れた。
「っ…!」
「アブノーマルなプレイが好きなんでしょ?」
「はっ…!?」
「違う?ここに結構な噛み跡付いてたよね」
見られてたの?
「今は…」
ぐいっと首元の制服をはだけさせられた。
「あー…微妙に傷残ってんね?最近は噛まれてないのかな?」
相手の手首を掴み、離れさせた。
「触んないで」
「怒った?」
「……怒ってはないけど、不愉快。俺は君のこと知らないし」
「ごめんごめん。俺は葛西陽葵(かさい はるき)、5組」
そう言いながら葛西くんは笑って俺の手を取り、握手させられた。
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