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第216話

聞こえた声に振り返ると、そこには 「祥馬……」 どうして… 「えっと君は…なんだっけ…あーそうだ、久城くんだ!」 「何してんのか聞いてんだけど」 「えー?神代くんとアブノーマルなプレイ?」 「してないから!」 「アブノーマル?」 「あ、久城くんは知ってる?神代くんのここの傷」 「あ?それは俺が…」 何を言うんだと、俺が祥馬を睨むと、祥馬は口を噤んだ。 「え、何?久城くんが付けたの?この傷。え、二人ってもしかして…」 「違うっ、違うから!俺にはちゃんと相手がいるから」 「えっ、神代くんには相手がいるけど、久城くんにそんな跡付けさせたの?」 「っ…」 痛いところを突いてくる。 ただ、これは、珀音と付き合う前から… いや、違うか。 お試しでも付き合い始めてから、噛まれたこともある。 俺には警戒心がなさすぎる。 今日の葛西くんだって… 「それならやっぱり俺にも付けてよ、ね?」 笑顔でそんなことを言うから、俺は首を振って後退る。 やっぱりこの人おかしい。 変わってるを通り越しておかしい。 「神代くんがダメなら久城くんでもいいや。久城くんの顔もそこそこタイプだし。ねぇ、久城くん、神代くんに付けたみたいに俺にも噛み跡付けてよ。血が出るくらい」 「はぁ?」 「お願い」 「何言ってんだよお前。俺は瑛翔にしかしない」 祥馬もなに言ってんの!?

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