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第220話
着いたのは小さな公園だった。
「はく、んっ…」
手を掴んだまま、立ち止まって振り返った珀音は俺にキスをした。
「っちょ、んんぅっ…」
離れては、すぐにまた唇が重なる。
そしてそれは徐々に深くなっていく。
「んっ…ふぅ…」
上顎を舌でなぞられ、ゾクリとした。
「瑛翔…ん、好き、…好きだよ…」
「んっ…はぁ…」
漸く離れた唇はお互いに濡れていた。
見上げると、嬉しそうに笑う珀音と目が合う。
「んっ…」
そして再び唇が深く重なる。
流石に苦しくて、恥ずかしさも相まって唇が離れた瞬間に顔を地面へと逸らすと、人差し指と親指で顎を掴まれクイッと上へ向かせられる。
「まだだーめ」
そう言って意地悪く笑った珀音から、息も絶え絶えになる程のキスを何度もされて、漸く解放された時には唇がピリピリしていた。
「…こんなにキスしてたらタラコ唇になるよ。珀音が」
「俺がなるのか…」
くすくす笑いながら俺の頭をポンと撫でる。
「帰ろっか」
「うん」
そして俺たちは、漸く公園を出て歩き出した。
「…正直に言うとさ、俺結構遊んできたんだよな」
「ふぅん…」
「もうちょっと興味ありそうな返事してよ」
「興味はあるよ。でも、あんまり聞きたくないなと思って…」
「…かわいい」
「は?」
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