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第222話
起きてからスマホを見ると、祥馬から着信が一件だけ入っていた。
メッセージは特に来ていない。
今日も珀音が家まで迎えに来てくれる。
その時に話そうと思った。
「行ってきます」
少し早いが、玄関先で待ってようと家を出ると、
「おはよう」
「っ…なんで」
「だってお前、電話出てくれねぇから。学校では珀音と居るし、この間は変なのに絡まれるし、二人で会えるのは朝か、夜だけだろ?」
「…」
ポケットからスマホを取り出したら、手首を掴まれた。
「珀音に連絡すんの?」
「…するよっ、「させねぇよ」
「あっ…」
スマホを取られてしまう。
「ちょ、返して」
取り返せないでいると、祥馬は何やら俺のスマホをいじっている。
「ちょっと、なにしてんの」
「……珀音に今日は休むってメッセージ送った」
「は?なんでそんな、勝手に…」
「来い」
「離せっ…」
手首を掴まれて、引っ張られるように連れて来られたのは近くの公園だった。
こんな朝に、当然誰もいない。
「祥馬っ」
「別れた」
「っ…!」
「澪央と別れた。ちゃんと納得もしてくれた」
「そんな報告いらなっ…」
「俺はけじめつけた。だから、お前もちゃんと俺と向き合えよ」
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