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第227話
「あーあ…惜しいことしたな」
「なに言ってんの」
「ってか泣くとか、恥ず…」
「祥馬、そんなに泣かないよね」
「あんま見んなよっ」
ぷいっと顔を背けられる。
なんだか、前の関係に戻ったみたいだ。
こんな軽い会話をするなんて、もうできないと思っていた。
「ってかさっきから凄いから返すわ」
「凄いって何が?」
「着信。多分珀音だろ」
返されたスマホを見ると珀音から着信が何件か入っていた。
そして、またすぐに鳴り始めた。
「あ、…っと…もしもし?」
『やっと出た!休みって何かあった?風邪?ではなさそうだけど…』
「あのメッセージ、祥馬が勝手に送って…今公園に『久城?今一緒にいんの?』
「あ、うん、いる」
『……で?』
「えっと…今珀音どこにいる?」
『瑛翔の家の近く』
「近く?今からそっち戻るから」
『久城は?』
「ちょっと待って…」
俺はスマホを耳に当てたまま、祥馬に視線を送る。
「学校行く、んだよね?」
「ん、行く。珀音近くにいるんだな?一緒に戻る」
「祥馬と戻るから、家の前で…」
『「分かった」』
あれ…?
今、近くで…
公園の入り口の方を見ると、俺の家の方へ向かう珀音が制服姿で歩いていた。
「珀音っ!」
俺は走ってそちらへ向かった。
「あ、公園ってここのか…」
珀音は俺が駆け寄ると、ポンと頭を撫でて、そして祥馬を睨みつけた。
「で、久城は瑛翔に何してたわけ?また殴られたいの?」
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