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第230話
それから卒業式があって、すぐに修了式があって、一週間の春休みはあっという間に終わった。
この間も、祥馬と話すことはなかった。
まだ、友達に戻るのには時間が必要そうだ。
「にしても和解して良かった」
「和解っていうのかな?」
「一応警戒はしといてよ?」
「うーん…大丈夫だと思うけど」
登校日、俺は佑嗣と迎えに来てくれた珀音と三人で学校へ向かう。
「警戒しとくのに越したことないんだから、そこは鷹来のいうこと聞いとけ」
「佑嗣がそう言うなら…」
「ちょっ!何で藤白の言うことは素直に聞くんだよ」
「ふはっ、ごめんね?」
「あ、……なぁ藤白、最近瑛翔が俺を揶揄うことを覚えたんだけど」
「鷹来は揶揄い甲斐ありそうだもんな」
「お前まで…」
そんな二人を見てまた笑う。
そして学校に着き、三年のクラス表を見る。
「あ、二人ともクラス離れちゃったね」
俺は一組で、珀音は五組、佑嗣は二組だった。
祥馬は佑嗣と同じ二組だった。
「じゃあ、帰りクラスまで来るから」
「うん、じゃあ後で」
珀音たちと教室の前で別れて教室へ入ると、黄色い声が上がった。
座席を確認して席に着いた。
すぐに女の子に話しかけられた。
「神代くんと同じクラスになれて嬉しいなっ」
「…そう?ありがとう」
「ふふっ」
「ねぇねぇ、今彼女いないんだよね?」
今度は違う女の子が話しかけてきて、気づけば俺の席の周りには女の子が集まって来ていた。
二年の時はほとんど珀音や佑嗣と居たから、この感じは久々だった。
俺、今までどうやってあしらってきてたっけ?
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