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第232話

クラス委員も決まり、10分休憩の時間になると、葛西くんが椅子ごと後ろを振り返ってきた。 「そういえば神代くん、最近珀音くんと一緒に居るよね。仲良いの?」 「…別に同じクラスだったから」 「…なーんだ」 呟いた葛西くんは体を乗り出し、俺に耳打ちした。 「てっきり珀音くんの今の遊び相手なのかと思った」 「っ…」 ガタッと椅子が音を立てた。 「あ、その反応は、俺が珀音と遊んでたこと知ってる?」 聞きたく、ないな… 「神代くんと鷹来くんが並ぶとほんと目の保養だよね〜!」 と、突然隣の女の子が会話に混ざってきた。 「最近は藤白くんと3人でいることも多いし、みんな3人でいる時の神代くんがかわいいって言ってるよ」 「か、かわいい…?」 「うん!王子様みたいに笑った顔もかっこいいけど、鷹来くんたちといる時は、なんか無邪気っていうか、ちょっと幼く見えてかわいいって」 そんなこと初めて聞いた。 「なるほどねぇ…」 葛西くんが呟くと、女の子は俺と葛西くんの顔を交互に見て笑みを浮かべる。 「葛西くんと並ぶと神代くんはかっこよくて、葛西くんはかわいいって感じだね」 葛西くんとセットみたいに扱わないで欲しい。 この間は、ちょっと変わってる人なんだと思ったけど、違う気がする。

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