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第233話

それから、葛西くんに絡まれ(?)つつも、一週間が経った。 クラスにも慣れて来た頃。 「ねぇ神代くん」 いつものように、葛西くんが俺に声をかけて来た。 「今度はなに?どこも噛まないよ?」 「あはっ、それは残念。気が向いたらいつでも言ってね」 「一生向かない」 「って…そうじゃなくて」 「じゃあなに?」 葛西くんはニコッと笑う。 「俺気づいちゃったんだけど、神代くん、珀音くんと付き合ってるでしょ?」 「え?…なに言って…」 「見ちゃったんだよね、二人が学校でキスしてるとこ」 「っ!?」 えっ? 本当に…? 「っていうのは冗談なんだけど、今の反応からしてやっぱり付き合ってるよね」 カマかけられた。 「ふふっ、大丈夫。誰にも言いふらしたりしないよ」 そう言うけど、笑うその表情は信用できない。 「珀音くんってさ、する時ちょっとSっ気あるよね。俺も痛くして欲しいから良かったけど」 する時って… 「俺たちすごくセックスの相性良かったんだよねぇ。でも俺にはついていけないって、言われちゃった」 これ以上聞きたくない。 「あとさ、珀音くんの弱いところ知ってる?」 「もう聞きたくない」 「え、何で?もっと聞いてよ。俺と珀音くんとのセックスした時の話」 「やだ」 「何で…あ、もしかしてまだシてないの?」

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