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第237話
あれから数週間。
相変わらず葛西くんは聞いてもないことをペラペラと俺に話してくる。
相手にはしてないけど、聞きたくなくても耳には入ってしまうわけで。
「ねぇ珀音」
「ん?」
「騎乗位が好きってほんと?」
放課後の空き教室で二人で喋っていた。
「ぶっ…!何言ってんの!?」
飲みかけてたお茶を吐き出した。
「ちょ、汚いなぁ…」
「瑛翔が急に変なこと言うからだろ!」
「だって…!葛西くんが、珀音くんは騎乗位が好きなんだよって…言ってたから。本当なのか確かめようかと…」
珀音は口元を拭いながら俺を見た。
「また陽葵か…」
「ねぇ、葛西くんとは何回シたの?騎乗位が好きだって知られるくらいって…」
「何回って…」
「待って、やっぱいい。ごめん、変なこと聞いて」
俺は首を振って珀音から離れようとしたら、腕をガッシリ掴まれた。
「離れないで」
「だって、無理…恥ずかしい」
「照れてる瑛翔貴重〜」
ぐいっと引っ張られ、珀音の足の間に収まる。
「ちょっと、この体勢恥ずかしいんだけど」
「何で?」
後ろから包み込むように抱きしめられ、ちゅっと耳にキスされる。
「っ…」
「なぁ、もっと触っていい?」
「ここ、で…?」
「ん、大丈夫。さっき鍵かけたから」
「…そういうことじゃなんんっ…」
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