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第243話
昼休みに入った瞬間、葛西くんは後ろへ振り返り、また話し始めた。
「ねぇ、神代くんは「静かにっ」
人差し指を立てて、葛西くんの口の前に差し出すと葛西くんは口を閉じた。
けれど、すぐに笑みを浮かべた。
嫌な予感がして、手を引こうとしたけれど遅かった。
差し出した指を顔を傾けて咥えた。
「っ…!?」
そして、ぬるりとした感触。
「なにしてっ…離っ…」
ぐいっと手を引けば、それは簡単に離れた。
「あっ…残念もうちょっと、」
「なにが残念!?最悪…」
俺は席から立ち上がる。
「あっ、どこ行くの」
「手を洗いに行くんだよ、ばか」
「ふふっ、神代くんって怒ると口悪くなるよね」
俺はそれを無視して教室を出た。
「ついて来ないでよ」
「いいじゃん」
「…はぁ」
もうマトモに相手をするのも段々疲れて来たな。
トイレに辿り着けば、まっすぐに手洗い場に向かい水で手を流す。
洗い終わり、隣で何をするでもなく見ていた葛西くんに向かって手を払って水を飛ばした。
「わっ…何するのっ」
「ムカつくから」
「そんなこと言ってるとまた舐めるよ?」
「どこ舐められたんだ?」
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