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第244話

「あ、久城くん」 「瑛翔何してんだよ」 チラッと葛西くんを見てから、俺に視線を移した。 「祥馬、違くてっ…」 「葛西だっけ?瑛翔、まだこいつに絡まれてんのかよ」 「え…あ、」 「つか舐められたって?どこを?」 「それは内緒だよっ。ねっ、神代くん」 葛西くんはぎゅっと俺の腕に絡みついて来た。 「もう葛西くん喋らないでくれない?ってか触んないで」 「うわ…瑛翔にそこまで言われるとか、お前何したんだよ」 俺が葛西くんの腕を振り払いながら言うと、祥馬は葛西くんを見た。 「思ってたより神代くんってSっ気あるみたいで嬉しいな。やっぱり俺と合いそう」 「え、何?結局葛西は瑛翔のことが好きなのか?」 「好きっていうか、苛められたい的な?」 「は?」 祥馬は顔を歪めている。 「……そういえば俺に噛んで欲しいとか言ってたっけ…葛西はMってこと?」 「そうだよ。苛められるのが好きなの」 にっこり笑う葛西くん。 「珀音くんは取られちゃってダメみたいだから、神代くんにお願いしようかなって」 「取られた…?珀音って…え、二人は」 「祥馬!もういいでしょ」 「よくねぇよ、めっちゃ気になる」 ああもう、最悪。

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