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第246話
「何に怒ってるの?」
「いや…葛西、そりゃ舐めたからだろ」
ハテナを浮かべる葛西くんに、祥馬は呆れたように言う。
「ええ〜?っていうか神代くん言っちゃったの?」
「瑛翔からは聞いてない。っていうかお前、教室内でそんなことすんなよ」
「教室内じゃなけ「んなわけないだろ」
言いかけた途中で言葉を遮る珀音。
なんだか息がぴったりだな、なんて思う。
「とにかく、もう瑛翔に一切触んな」
「ええ〜それは無理だよ」
「無理じゃない」
なんて二人が会話していると、祥馬が俺に話しかけてきた。
「大変そうだな、あの葛西ってやつ」
「うん…、祥馬が相手してよ」
「はぁ?嫌に決まってんだろ」
「だよね…でもさぁ、なんかあの二人息ピッタリじゃない?」
チラッと珀音たちを見るとまだ言い合っている。
「…瑛翔でも嫉妬するんだな」
「そりゃあね」
頷いたら、祥馬は笑った。
「おい珀音、いつまでも葛西に構ってんなよ。そんなことしてていのか?」
「は?何?」
「えっ、ちょっと祥馬!?」
俺の腕を掴んだ祥馬は突然走り出した。
引っ張られるように俺も走り出す。
「あっ、おい!」
「待ってよ珀音くん」
「掴むな」
なんて二人の声を後ろに聞いて。
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