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第248話

「言わないよ」 俺が口を閉ざすと祥馬は考え込む。 「教室で舐められて、そこを洗うためにトイレに来たんだろ?」 じろじろと見てくる視線に堪えられずに、俺は顔を逸らした。 「首元とか洗ったら制服濡れてるだろうし…顔とかなら拭くのにタオルとか必要だろ?でも持ってないみたいだし…」 「勉強出来ないくせにそういうところだけ勘良く探らないでくれない?」 「勉強出来ないとか言うな。だって気になるだろ」 どうしてそこまで気になるのか俺には分からない。 「…指だよ。指を舐められたんだよ」 「あーなるほど、指か」 「もういいでしょ、俺は帰る」 教室の扉に向かおうとした時、その扉が勢いよく開いた。 「うわっ…」 「見つけた…!」 そこには珀音が息を切らせながら立っていた。 「二人で何してんのっ…」 「え、?…いや、何もしてないよ」 「本当に…?」 「ほ…「本当だよ。っていうか珀音、お前こそ葛西と何してたわけ?……違うな…どういう関係?」 俺の言葉を遮って祥馬が珀音に向かって問いかけた。 そんなに気になってるのか。 「元セフレ」 「は?セフレ?」 祥馬は眉間に皺を寄せた。 「んなことよりその手を離せ」 珀音の言葉に、腕を掴まれたままだったことに気づいた。

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