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第251話

「嫌なことがあったら、すぐに言って欲しい」 帰り道、最寄駅から近い公園に寄った。 もう17時を過ぎていて、子供も誰もいない公園のブランコに並んで座る。 そこで珀音はそう言った。 「俺、結構嫉妬深いのかもしれない」 「うん?」 「珀音がウザいって思うかもしれない、俺のこと面倒になるかもしれない。だから、嫌になったら、俺もすぐに言って欲し…っ」 言葉の途中で俺はブランコに座ったまま、正面から抱きしめられた。 「珀音…?」 「ウザくない。面倒なんて思わない。嫌になんて絶対にならない。俺は、きっと瑛翔が思っている以上に瑛翔のことが好きだし、大切にしたい」 「珀音…」 少し体を離し珀音は俺を見下ろす。 「俺が相手したのは陽葵だけじゃない。他にも同じ学校にもいる。その相手から何かされることばっかり心配したけど、俺がその相手と一緒にいること自体が瑛翔に嫌な思いをさせるって気付けてなかった」 「そ、うだよ…。二人でのことを色々聞かされるのは本当に嫌だった。俺の知らない珀音を、他の人から聞かされるのは…」 「ごめん」 「だから、誰も知らない珀音を俺に教えて」 「えい、ん…」 カタンと音を立ててブランコから立ち上がり、背伸びをして珀音にキスをした。 「んっ…」 「はぁ…ん、」 深くしていくキスに、珀音からも吐息が漏れた。 「瑛翔のキスってエロい」 「え…?」 「なぁ、明日土曜だし、今日は家に泊まらない?」

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