253 / 260

第253話

至近距離で見つめ合い、どちらからともなく唇が重なった。 「んっぅ…」 珀音から借りた服は俺にはサイズが大きくて、袖からは手が出しきれず、掴まれてない手で無意識に珀音の服を掴もうとするもできなくて、添えるだけになる。 「ん…っふ、はッ…」 口を開けて息を吸い込もうとすると、口内に舌を捻じ込まれ、舌が激しく絡み合う。 そしてその舌は、舌裏へと向かう。 「んっ」 びくりと肩が揺れる。 「待っ…んんっ」 頭がぼーっとしてくる。 今まで、キスでこんな風になったことない。 そして手首を掴んでいた手が解放され、珀音の手は反応し始めたそこへ向かう。 「ぁっ…」 「ふっ…勃ってる」 「っ珀音だって、…さっきから当たってるっ」 「そりゃ、こんなエロい恋人見て勃たないわけない」 「あっ」 ズボンの中に手が入ってきて、その手は更に下着の中へ。 「やっ、待っ…んっ」 直接触れられて、思わず腰が引けるとグイッともう片方の手で腰を引き寄せられた。 「逃げんなよ」 「っ…ん、あ…」 的確なその手の動きに、無意識に腰が揺れる。 そして呆気なくイカされ、ガクンと膝から崩れ落ちかけた。 「わっと…何、腰抜けた?」 「っ、」 「ふっ、かわいいなぁ瑛翔は」 「かわいいって言わ「よいしょっと」 力が抜けた体をひょいと軽く持ち上げられ、俺は横抱きでベッドまで運ばれ、押し倒された。 「っ、あの」

ともだちにシェアしよう!