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第255話

「…平気?」 「うん…」 珀音から水を差し出され、それを一気に飲み干す。 ふぅと、一息ついてあることを思い出した。 「あっ!」 「ん?どうした?」 「珀音の好きな騎乗位でし「それはいいから」 「なんで?」 「たまに瑛翔って馬鹿なのかなって思うんだけど」 「は?」 「いや、怒らないでよ」 だって、葛西くんとはしたんでしょう? 出かかった言葉を飲み込んだ。 「…今言おうとしたこと言って」 「っな、んで」 「ほら、早く」 するりと服を何も着ていない素肌を撫でられる。 「っ…」 「言って?」 「葛西くんとは、したんでしょ?」 「…分かったよ。でも今日はだめ、これ以上したら瑛翔が辛いから、な?」 「ん、」 珀音は本当に俺を大切にしてくれている。 それはすごく伝わってくる。 俺の小さな変化にも気づいて、今みたいに飲み込んだ言葉を吐かせる。 俺も、言えないでいることが多かったけれど、珀音と一緒ならこの先、言えるようになるのかな。 素肌で抱き合うのは、相手の体温が直に伝わって好きだな。 そして俺たちは抱きしめ合いながら眠りについた。

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