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第257話
「おい、珀音」
「どうした?」
「瑛翔の色気ダダ漏れだぞ」
「…知ってる」
そんな会話が横で繰り広げられてる。
「瑛翔大丈夫?」
「ん…超だるい」
隣に座る佑嗣が心配そうに見ていて、俺は力なく笑った。
「はぁ…休めばよかった」
「…何で来た?」
「珀音の家からそのまま…ってあ、…」
俺は口を押さえた。
「ん?どうした?」
「いや、その、違くて…」
ヤッたからだるいと思われたくない。
いや、でももしかして…
「気づいてるよ、祥馬も俺も」
「…本当に?」
「そりゃ、ね。怠そうなのもそうだけど雰囲気とかが。朝から、神代くんが憂いを帯びてるって俺のクラスの女子も噂してた」
「…まじか」
「まぁ流石にどうしてなのかとかは分かってないと思うけど」
そんなに俺あれかな?
「でも大丈夫。当分しないし」
「え?」
「瑛翔〜」
縋るように腕を掴まれた。
「うるさいな」
「うわ、瑛翔怒ってるじゃん…鷹来何したんだ」
「ははっ、珀音残念だったな〜」
佑嗣とは違って、祥馬は楽しそうだった。
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