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第258話
それから、内申に関わる最後の試験を迎えて、それぞれの志望大学合格に向けて、受験勉強も本格的に始まった。
「受験かぁ…」
「瑛翔は推薦でしょ?」
「うん、そのつもり。この間のテストも良かったし、先生も大丈夫だろうって。来週から面接練習始まる」
「そっか、頑張れ」
「うん、珀音もね」
それから、珀音と帰れない日もあったりと、受験シーズンは遊ぶこともなく過ぎていった。
俺は、希望大学に指定校推薦で11月には決まった。
珀音も祥馬もそれぞれAO入試と推薦で決まった。
祥馬はスポーツ推薦だ。
佑嗣はセンター試験を受けるから、まだまだ毎日勉強漬けみたい。
「それにしても久城良かったな、推薦取れて」
「だよね、祥馬ってバカだから心配だったよ」
「バカだからな」
「二人してバカバカ言うなっ」
「ふっ、ごめん」
俺が笑うと、祥馬も笑った。
「にしても俺は二人は同じ大学に行くもんだと思ってた」
「いや、最初は俺もそのつもりだったんだけど、俺と瑛翔の成績が違いすぎて。それに俺、テストはそこそこ出来ても休んだ日数が留年するギリギリだったから、それが内申に見事に反映されてるわけ」
「自業自得でしょ」
「自業自得だろ」
祥馬と綺麗に声が重なった。
「おい」
「ふはっ、まぁ合格したんだし」
「そうだな」
「年明けたら自由登校で、あっという間に卒業だね」
1月に2回、2月に卒業式の練習で2回、そして3月頭の卒業式で学校に来るのは終わりだ。
「早いなぁ…」
「そうだね」
特にこの2年は色々なことがあって、あっという間だったな。
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