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第8話
授業参観や運動会、修学旅行に社会科見学と色々有ったけど、十月も半ば僕は漸く十二歳を迎える。
やっと拾人お兄ちゃんと身体を繋げられる。
拾人お兄ちゃんのフェロモンでマーキングしてもらえる。
僕はいつもより更にルンルン気分で授業を受けている。
拾人お兄ちゃんもこの一週間は、どことなくソワソワしてるように見える。
きっと同じ想いで居てくれているだろうと思うと花を背景に散らしたいくらいだ。
ああ、拾人お兄ちゃんが欲しい。
ウキウキとした気分で目眩く拾人お兄ちゃんとの営みに心を馳せていると、突然身体がカッと熱くなり呼吸が乱れ始め身体全体の力が抜けてく。
オッパイの先が痛い程張り詰め少しの刺激でも絶頂しそうで、お尻の穴がジンジンと熱を帯び突然ヌルリと濡れて、その量もどんどんと増えて、あっという間にズボンのお尻の部分が湿ってしまった。
ハアハアと呼吸が上がって前を向くと、拾人お兄ちゃんが握っていたチョークを落として僕の前に駆け付ける。
そのまま僕を抱き上げると、「これより自習」と一言残して非常時の仮眠室へと移動する。
僕のΩフェロモンが教室や廊下中に漂っている事だろう。
僕はコレがヒートなのだと分かった。
僕がずっと望んでいた事。
拾人お兄ちゃんと番になる為に一番必要な事、身体が混乱して熱かったりむず痒かったりするけど、僕は今本当に嬉しい。
移動中もズボンの染みは広がり重みを増して、ポタリと僕のお尻から床に落ちて行く。
はやく、はやく抱いて。
拾人お兄ちゃんが欲しいよ。
目の前にある拾人お兄ちゃんにキスをして、僕のオッパイを自分で抓る。
もうココがどこかなんて分からず、僕は拾人お兄ちゃんを欲する。
ピシャン、ガチャっと、音を聞いたのが最後だ。
見慣れてるが普段と違いギラギラとした双眸が沙雪の正面にある。
荒い吐息が沙雪の顔にかかり、耳を通して脳に届く。
噛み付くようなキスを受け、力なく開かれた唇に大きくて熱い舌が入り込み、僕の小さな口を蹂躙していく。
小さいが愛され慣れた身体は獣のようなキスを受けただけで絶頂し、ピクピクと震える。
いつの間にか衣服は剥ぎ取られ、肌に残るはブラジャーとパンツだけ。
その残り少ない布達はそれぞれに甘美なフェロモンを放つ場所を隠してはいるが、既に意味を成さないように布の下に存在するものを主張している。
ブラジャーをしているにもかかわらず、プックリ膨らんだ乳輪の真ん中にある乳首は硬くツンと張って形を表しているし、パンツはもう小さな竿と蜜壷から溢れる愛液でビショビショに濡れて、たった一人のαを狂わせ番わせようと誘っている。
心の伴った状態のΩの本能はなんといじましい事か。
ヒート抑制剤を飲んでいる拾人も高密度のΩフェロモンに、可愛くも美しく愛する恋人の痴態に、誰よりも何よりも己を欲する瞳に、歓喜し欲情し熱い愛情の込もったαヒートが始まった。
やっとこの小さな身体が、沙雪が拾人の番が本当の番として生きていけるのだ。
沙雪の下着を残る理性で優しく剥ぎ取り、全身を目の前に晒す。
明るい褐色の肌に映える首輪に手を伸ばし、鍵を外す。
久しぶりに見た首輪の無い首筋にキスを落とし、舐め上げる。
キスは鎖骨へと移動して唇で挟みコリコリと触感を楽しむ。
早く可愛がれと主張する乳首を摘み、沙雪の溶けた表情を拾人は見つめる。
沙雪の中に理性は完全に残っていない。
拾人を欲しがり、拾人と繋がり、拾人のみを愛していると訴えているだけの愛しい瞳。
拾人にとって、それは何にも代え難い掛け替えのない大切な瞳だ。
その理性を失っても優しいハシバミ色の瞳を見つめつつ、拾人自身も残った理性が灼き切れていくのを感じて、急いで沙雪の蜜壷に手を這わせ、中を拡げて拾人の灼熱を受け入れられるようかき混ぜ、四本の指が埋まるまで可愛がる。
互いに初めての性交渉だ。
互いに初めての本能による人生で一度切りの崇高な儀式だ。
性急ではあるが、たっぷりと愛情の感じ合えるものでありたい。
その想いの強さが、拾人をギリギリ、ギリギリまで理性の淵に押し留める。
沙雪の蜜壷が充分に拡がったのを確認すると、聴こえていないだろう沙雪に「一つになろうね」と声をかけ、灼熱に滾った拾人の一部を沙雪の小さな身体の真ん中に埋め込んでいく。
根元まで丁寧に挿れ切ったところで、完全に理性はブラックアウトし、沙雪の子宮目掛けて突進し、何度も穿ちては沙雪から漏れ出る嬌声もそぞろに、愛するΩを孕ませようと只管に腰を振る。
一度の射精がどの位の時間かわからず、何度子種を放っても身体は疲れず、ヒートした灼熱の一部は萎える事も無く、二頭のヒートした獣達の愛の営みは深夜になっても終わらずに続いている。
沙雪というメスのお腹は拾人というオスの精に膨らみ、何度も絶頂したせいで絶頂しっぱなしになり、常に灼熱の一部のコブを締め付けて離さない。
前から抱き締めていた沙雪を反転させ、綺麗な背中と頸を向けて覆い被さり、更に腰を打ち付け互いに更なる絶頂を同時に迎えようと息を合わせる。沙雪の一際大きな絶頂に合わせ、拾人も絶頂を迎えた瞬間に大きく口を開けて、目の前の愛しい細い頸に噛み付いた。
二人を一つにし、途端に甘やかな満たされた感覚に互いの瞳に徐々に理性が戻ってくる。
拾人は理性が戻り沙雪の頸を撫で、愛しい番を仰向けに戻し、沙雪の胎内を楽しむようにその反応を楽しむように緩やかに腰を動かしては沙雪のあどけない顔にキスの雨を降らせる。
沙雪の瞳は正に幸せが浮かんでおり、涙を溢れさせ大きな拾人を包み込むように抱き締めようと腕を伸ばす。
その指先は血に塗れているが、その理由は拾人の背中の痛みが原因だ。
互いに愛しい痛みを分かち合い、緩慢な動きを速めて本日最後の精を沙雪の子宮に送り込む。
理性のある状態で精を受け入れ続ける沙雪は「赤ちゃんのタネいっぱい」と幸せそうに俺の精液で膨らんだ下腹を撫でる。
もう一度挑みたくなったが、本能での交わりは小さな身体には負担ばかりだった筈で、俺は自分を厳しく律して長い長い射精の後、未だ猛った灼熱の一部をゆっくりと沙雪から引き抜いた。
それはもう名残惜しく。
途端に拾人の赤ちゃんのタネは、紅く熟れきった僕の胎内から勢いよく溢れて流れ出す。
僕は流れる赤ちゃんのタネに指を絡ませ、躊躇いも無く自らの唇に運ぶと味わうように舐めて「今まで一番甘い香りがして、凄く美味しい」と、幸せな気持ちで言って意識を手放した。
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