だがあまり長いこと室内を観察することはできなかった。 あちこちを見る間もなく、ナオはそっとベッドに押し倒される。 そして次の瞬間、幸太郎が覆い被さってきて、大きく口を開けながらキスを落としてきた。 幸太郎の唇がナオのそれを包み込むように吸い付き、口を開けさせられる。 すると唇の間から幸太郎の唇が入り込んできて、あちこちをくまなく舐め回され、最後に舌を根元から大きく吸われた。 ああ、この感触、あの夜のキスと同じだ──。 頭の芯がぼんやりして、幸太郎のことしか考えられなくなるような甘いキス。 幸太郎はキスを落としながらナオの衣服を脱がせ、自分も服を脱ぎ、ベッドの下へ放っていく。 改めて見ると、幸太郎の腹筋はほれぼれしてしまうほど、綺麗に割れていた。 ナオの貧弱な身体つきとは正反対で、腹の辺りをなぞられるとつい身を捩ってしまう。 「コラ、逃げんな」 「だって……俺、先輩みたいに腹筋が割れてない……恥ずかしいです」 「割れてりゃいいってモンでもねーんだよ」 幸太郎にしてみれば、ナオの華奢な身体の方に欲情して仕方がない。 キスを交わしながら下腹部を撫で、その下のボクサーパンツに差し掛かると、幸太郎はナオから離れ、その下半身に下着の上から口付けを落とした。 「ぁっ……」 ナオの身体がビクンと跳ねる。 自分でしか触ったことのない性器が、他人に触れられている。 下着越しではあるが、口付けられている。 幸太郎はナオの性器が硬さを帯びていることを確認すると、ボクサーパンツを脱がせて性器を口の中に含んだ。 舌を尖らせて亀頭の割れ目を行き来させ、手を使って裏筋や陰嚢、竿をくまなく愛撫する。 「ッ……あ、んぅッ……ふぁ……」 ナオは両手で布団を握り締めた。 刺激を強く感じれば感じるほど、握った布団に波状のシワが寄る。 「ふぅッ、ん……やだ……声……気持ち悪い……」 自分で自分の声が気色悪い。 こんなに裏返った声で喘ぐなんて、自分でも知らなかった。 「先輩……も、気持ちイイの……いらない……あぁっ……」 「何言ってんだ？まだまだ序の口だぞ」 「ひぁっ！？」 幸太郎が再びナオのペニスを口に含んだところで、臀部の窄みに違和感を覚え、ナオは息を詰めた。 そうだ、男同士のセックスで繋がるためにはアナルを使うんだったと、今更ながらに思い出す。 幸太郎の口淫は、後孔への刺激に気を取られるであろうナオに対する奉仕だったのだと気付いた時には、もう指がナカに挿り込み、少しずつ狭い器官が押し広げられていた。