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第24話

ジーパンが脱がされて、ボクサーパンツの上で男達の手が這い回る。 気持ち悪い。 刺激されても勃つことはなく、萎えるばかりだ。 成す術なくしてぼんやりしていたナオは、いつしか男のうちの一人が目の前に立ちはだかり、肉棒を顕わにしているのを見た。 「口で奉仕しろよ」 何を言っているんだ、お前のなんか口に入れたくない──。 そう思った時には、もうナオは男のペニスに唾を吐きかけていた。 「テメー、何しやがんだよ!?大人しくヤられてりゃいいんだよ!ガキ臭ぇツラしやがって!」 もうだめだ、とナオがギュッと目を瞑った瞬間、ペニスを突き出していた男がみっともないうめき声を上げて地面に臥せった。 「ガキはどっちよ?つまんないことして男を下げて、最低ね、アンタたち」 「ひ、日菜子……さん……?」 ちなみに「口で奉仕しろ」と言っていた男は日菜子が履いていたピンヒールのヒールでペニスを蹴られ、背を丸めてうずくまってしまっている。 「アナタは黙ってなさい、久住君」 「あ、はあ……」 日菜子は着ていたワンピースの袖を捲り上げると、男二人を拳で思い切り殴りつけ、股間に蹴りを食らわせて立てなくしてやった。 「日菜子さん、なんで……?この前、この大学の坂上にフられたって、大泣きしてたのに……」 「だから幸太郎の後輩を手籠めにしようと思ったの?」 「だって……日菜子さんばっかり哀しい思いすんの、不公平ッス」 日菜子はやっていられないとばかりに、ウェーブヘアをかき上げた。 「いい?今から10秒数えるわ。その間に退散しないようなら、警察を呼ぶけど、それでいい?アナタ達、確実に会社をクビになるわよ。はい1……」 日菜子がカウントダウンし始めると、男達は必死の形相で逃げて行く。 ペニスをまともに蹴られた男も、何とか立ち上がって逃げて行った。 「大丈夫、久住君?」 「……見苦しい恰好見せて、すいません」 「いいのよ。でも、さすがに下半身はマズイわね。動ける?」 ナオが「何とか……」と答えると、日菜子が「少し腰を上げてくれるかしら?」と言う。 その通りにすれば、彼女は腰が浮いている間にジーパンを穿かせてくれた。 「あの、今のは……?」 「ああ、ウチの会社の私のファンよ。今日は会社が創立記念日で休みでね。一人で家にいるのもつまんないって外に出たら、アナタ達に遭遇したってワケ」 「そう……ですか……」 「とりあえず、幸太郎に電話するわ」 日菜子は幸太郎よりも年上だったのかと、ナオはぼんやりと考えていた。

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