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第31話

「やっぱ、今日はやめとくか」 「え……?」 「怖い目に遭ったばっかりだろ?」 それは嫌だとばかりに、ナオは幸太郎の肩を掴んだ。 抱いて欲しい。 穢されそうになったからこそ、清めて欲しい。 「抱いて欲しいんです……怖い目に遭ったから……先輩の温もりが欲しい……」 そう訴えれば、幸太郎は仕方がないと苦笑しつつ、ナオにキスを落とした。 ねっとりと絡みつくようなキス。 顔が少し離れる度に、2人を繋ぐ唾液が光を帯びて銀糸のように見える。 幸太郎は唇をナオの耳まで移動させると、ふっと熱い息を吹きかけて甘噛みする。 「あ……」 「耳、弱いんだな?」 恥ずかしいけれど、ここでやめて欲しくない。 怖くないと言えば嘘になるけれど、ちゃんと最後までして欲しい。 ナオはおずおずと手を伸ばし、幸太郎の見事に割れた腹筋に触ってみた。 「ちょ、くすぐってーって」 「どうしたら、こんなに割れるんですか?」 「毎日筋トレだのロードワークだのやってりゃ、誰だって割れる」 そういうものなのだろうかと考えつつ撫でていると、ナオの股間がピクリと反応した。 どうやらさっきの事件でのトラウマは引きずっていないらしい。 ナオはこのことを幸太郎に伝えようと、無言のまま下半身を押し付けてみた。 「トラウマはないようだな」 「多分、ですけど」 「よかったぁ……何かあったらどうしようって、半ばマジで考えてた……」 抱き締められる力が強まると、今度は幸太郎の下半身が大きくなり始めた。 ナオを案じるあまり少なからず萎えていたそれが、吉報を得ていきり立つ。 幸太郎はナオの耳から首筋にかけて唇を這わせ、鎖骨を舌でなぞると、胸の頂にある薄桃色の蕾にチュッと口付けた。 「はぁ、ん……」 いつも引っ込んだままの乳首が、刺激を受けることで尖っていく。 甘噛みされれば脳が痺れるような感覚に陥り、舌で転がされれば甘い喘ぎが出てしまう。 幸太郎はそのままナオの勃ちかけた陰茎を手の中に収めると、やわやわと竿を上下に扱き始めた。 「ぁぁんッ……んぅ……」 愛しい人の手の中に、自分の性器が包み込まれているのだと考えるだけで、興奮する。 もっともっとと欲しくなり、先走りを滲ませる。 幸太郎はその先走りを竿に塗り付けながら、ぬちゃぬちゃという音を立ててナオを絶頂へと導き始めた。 「あ、あ……あン……ッ……イ、きそう……」 「いいぜ」 「んぅぅぅ──!」 ビクン──、とナオの身体が揺れ、ベッドの上で背を反らせている。 快感を味わっているのか、しばらくその姿勢で小さく身体を震わせていた。

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