幸太郎はその間に後孔に指を挿し入れ、解しにかかる。 恍惚としていたナオは、アナルに違和感を覚えて我に返り、今度は自ら幸太郎の身体に口付けを落として行く。 唇に、額に、耳に、鎖骨に。 そして胸の頂を口に含む。 舌先で転がすように、時折吸い上げる。 ナオが幸太郎にしてもらって、気持ちがイイと感じることを、そのまましてやりたい。 「んッ……意外と感じるんだな、ソコ」 「乳首？」 「ああ」 そうか、感じるのかと、ナオは再び唇で乳輪を覆い、その真ん中の蕾に唾液を塗り付けていく。 次にナオが触れたのは、幸太郎自身だった。 もう半勃ち状態なのを手に収め、ゆるゆると扱いてやる。 まずは竿を上下に擦り、次に裏筋を強弱をつけてなぞり、最後に亀頭の割れ目を先走りを塗り付けながら攻めていく。 「んッ、おい、あんまり無理すんな」 「してないですって……んぅッ……」 幸太郎の性器を手にしながら、後孔を弄られている。 どちらも互いの性感帯を模索し、互いに感じさせようとしている。 ナオはそっと幸太郎のペニスから手を離し、下から自分のそれを押し付けてみた。 そして自分の性器と幸太郎のそれを手の中に収め、擦り合わせる。 どちらの肉棒からも先走りが滲んでおり、擦る度にぬちゃ──、という卑猥な水音が聞こえてきた。 「んッ……先輩、気持ちイイ……ですか？」 拙い手付きで擦り合わせているナオは、当然自分の手技に自信がない。 だからもし何も感じていないなら、すぐにやめるつもりで問うてみた。 「イイに決まってんだろ」 「そっか……よかった……んッ……」 ナオは自然と腰が動いていることに気付いた。 決して自分の意思で動かしているのではなく、下半身だけが別の生き物になったかのように感じる。 「あ……んッ……」 前立腺を擦られると、ナオの手の力が緩んで、2つの性器が手の中から零れ落ちてしまう。 もう一度握ろうと手を彷徨わせれば、幸太郎に手首を掴まれ阻まれた。 「十分な硬さにしてくれてありがとな」 「え……？」 「後ろも完全に解れた。お前のナカ、もうグズグズになってんぜ」 「！？」 いつの間にそんな風になっていたのだろう。 幸太郎の指の動きがあまりにも優しくて、後孔の違和感をしばし忘れ、気付いた頃にはもう濡れていたなど、考えるだけで恥ずかしい。 「挿れるぞ、力抜いとけ」 ナオは小さく深呼吸をした後、全身の力を抜いて挿入に備えた。 きつめに目を瞑っていると、幸太郎自身がゆっくりと挿り込んでくる。 太くて、硬くて、血管が浮き出たそれが、ナオの身の内に埋められているのだと考えるだけで、ナオ自身も昂ぶってしまう。