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プロローグ②

「……ひっ……!!?」 訳が分からず、自分でも情けなくなるような悲鳴しか出せない。 どうして、先程まで楽しかった筈の僕の誕生日パーティーの光景じゃなく――こんな見知らぬ廃墟のような光景が僕の目に飛び込んでくるのか――。 どうして、先程まで誕生日パーティーに元気よく参加していた幼なじみのジャックが血まみれで、僕の隣にぐったりと倒れているのか――。 しかも、僕の左手とジャックの右手が手錠で固く繋がれている。 「ね、ねえ……目を覚ましてよ――ジャック……」 「…………」 ――ジャックは何も答えない。 いつもクラスで偉そうに威張り散らし、もう1人の幼なじみである気弱なエディをいじめていた快活なジャックらしくない。 いつも照れくさそうな表情を浮かべながら、僕に対してだけ可愛いと言ってくれた優しいジャックらしくない。 「ね、ねえっ……いくら僕の誕生日パーティーのサプライズだからって……悪ふざけが過ぎるよ――起きて、起きてったら……ジャック!!」 「…………」 ――ジャックは何も答えない。 僕は涙ぐみつつも膝を抱え込んで、何の反応も示してくれない元幼なじみのジャックから目を逸らした。 ――ジャリ……ザッ……ザッ…… ――ジャリ……ジャリ……ジャリッ…… 僕が立てている膝に顔を埋めつつ、元幼なじみのジャックの異様な姿から目を背けてから――どのくらい経ったのだろうか――。 ふいに、少し離れた場所から誰かが歩いて僕らの方へ近づいてくる足音が聞こえてくるのだった。

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