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~よるのばけもの~
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《アレン視点》
ーー夜は嫌い。
ーー昼間、ママの前では姿を偽っていた夜の化け物が僕の部屋へ来るから。
「やあ、天使のように可愛いアレンーー今夜も寝る前の儀式をしよう」
「パパ……また、今夜もなの?」
僕が無意識の内に体を小刻みに震わせながら、そう言うと無理やり貼り付けていた気持ちの悪い不自然な笑みを浮かべてる夜の化け物の顔が途端にクシャッと崩れるのが僕には嫌でも分かるんだ。
夜の化け物がーー無表情のまま静かに僕の方へ近付いてくる。
そして、手を振り上げーー、
僕の頬を叩こうとしてくる。
けれど、
「可愛いアレン……パパはお前の顔を叩くなんて酷い事はしないさ。だから、早くこの服に着替えるんだ……分かったね?」
「…………はい、パパ」
パパという夜の化け物がーーどうして、顔を叩いてこないのか分かっていた。
パパという夜の化け物はーー僕の美しい顔を傷付けて汚したくなんかないんだ。
天使みたいで、まるで女の子のようなーー
ーー僕の美しい顔を。
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