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~よるのばけもの~

――今、僕の頭の中にあること。 ――目の前にいるパパの顔と声をした夜の化け物のこと。 ――クラスメイトでもあり大切な友達でもあるエディとジャックのこと。 ――優しいけれどパパには逆らえないママのこと。 ――時折、町にくる大好きなサーカスのこと。 ――もうすぐ開かれる僕の誕生日パーティーのこと。 ――部屋の壁に貼られている大好きなアニメのカッコいいヒーローのポスターのこと。 (もし――僕がヒーローなら……目の前にいるパパの顔をした悪い化け物をやっつけられるのに――) パパの顔をした夜の化け物が、自分の下半身にある大きくて固い凶器のような棒を僕のお尻に必死で出し入れしている時――僕はそんなことをボンヤリと思ったんだ。 ※ ※ ※ 「とても良かったよ――アレン。もう遅いから眠りなさい。それと、この儀式の事は誰にも要ってはいけないよ?もしも、誰かに言ってしまったら――アレンは悪魔に食べられてしまうからね」 「はい、パパ……おやすみなさい」 儀式を終えた夜の化け物は、服を着ながらぐったりとしている僕へ優しく言う。そして、服を着終えると僕の頭を大きな手で撫でてから部屋から出て行った。 「…………」 僕はパパが廊下を歩いて行き、そのまま自分な部屋へ入るのをジッと見届けて確認してから――パパにもママにも気付かれないようにバスルームへと向かって行く。 ――ヒタッ…… ――ヒタ、ヒタ…… 真夜中の廊下に僕の足音だけが、静かに響く。

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