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~かがみにうつる天使~

※ ※ ※ ※ ――キュ、キュッ…… ――シャアァァッ…… ――ザァァァ~…… 暗い暗いバスルームにシャワーの音が響き渡る。 もう真夜中だから温かいお湯なんて出なくて冷たい水しか出ない。 それでも【パパという名の夜の化け物】にかけられた白いネバネバとした液体が僕の顔や体から流れ落ちるのなら――たとえ冷たい水でも我慢できる。 ふと、バスルームの窓から月の光が煌々と差し込んでくる。 それと、同時に目の前の鏡に映る僕の姿――。 パパやママに見つからないようにバスルームの電気は全て消してある。だから、僕の姿は目の前にある鏡には映る筈なんてなかったのに――。 ――目の前の鏡に映るのは、 【パパという名の夜の化け物】に逆らえない情けない天使の姿――。 【パパという名の夜の化け物】の白い液体まみれの汚い天使の姿――。 口角をあげて悪魔のように笑う――天使の姿。

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