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~探索~
※ ※ ※
「……ジャック…………こんな場所に、ひとりぼっちにして……ごめん……ごめんね……っ……」
「…………ジャック――か、かわいそう……に……」
僕は血まみれのまま、ぴくりとも動かないジャックを泣きじゃくる。そのあとは、まっすぐに見つめると少しだけ困った顔をしながら目を閉じてグッタリしているジャックの頬に触れるだけの優しいキスをしたんだ。
いつだったか、学校で二人きりの時にジャックが僕にしてくれた――心のこもったキスみたいに――。
「ア、アレン……そろそろ――行かないと……」
「そんなこと……わかってるよ、エディ……」
僕は意を決して手錠をかけられて目を覚ました場所から、エディと共に出て行こうとしていたけど――やっぱり血まみれでグッタリと倒れている大好きなジャックのことが気になって――最後にチラッと彼が倒れている場所を振り返った。
――そしたら、
――血まみれで倒れているジャックのすぐ側に、
――人のような黒い不気味な影が、
――見えたような……気がしたんだ。
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