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~暗闇~

「ソノ――スノードロップの花ハ……きみ二とっテノ《希望》ダヨ。きみガ選んダモノ二よっテ、望んだその姿へと変ワル――。試し二――《ライト》ガ欲しいト望んデごらん……」 「――ライトが、欲しい……」 ――ポウッ…… 僕は不安だったのだけれど、謎の声に従ってスノードロップの花を片手で持ちながら震える声で小さく呟いてみる。すると、右手に持っているスノードロップの白い花が幻想的な淡い青い光で包まれたかと思うと――それから、少ししてから先程までは白かったスノードロップの花が僕が望んでいるようなライトへと徐々に形を変えていくのだ――。 (謎の声が言ってたことは、本当……だったんだ) 僕はスノードロップの花がライトへと変形したのもそうだったけれど、何よりも謎の声が本当の事を僕に言っていたという事に対して驚いてしまってボーッとしていたんだ。でも、ハッと我にかえって――目の前に続く暗闇へとライトの青白い光を照らしてみる。もしかすると、謎の声の正体が何なのか――分かるかもしれないと思ったからだ。 しかし、そこには誰もいない――。 所々、ひび割れたボロ臭い灰色のコンクリートの壁や――なぜか、地面に敷いてある赤くて派手な絨毯が目に入るだけだ。 幼なじみのエディの姿も、そこにはない――。 「ザ~んねン……正体ハ――分からズじマいだネ……可愛イ……アレン」 「――黙ってよ、耳障りだよ……その声……」 相変わらず、僕をバカにしているかのようにケタケタと愉快げに笑い続ける謎の声に対して、思わず感情的になってしまい――強めに前方へと続いている長い、長い暗闇に向かって言い放ってしまうのだった。

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